熱の収縮を起こす原因として、非晶性の高分子の場合は、ガラス転移点以上に加熱させることによって、凍結されたセグメントのミクロブラウン運動が解放されて起こる緩和現象です。結晶性の高分子の場合は、非晶性の場合と同じように緩和現象のケースです。そのほかに、結晶領域の部分融解や再結晶を含んだ再組織化によって、原結晶により、維持されていた分子鎖の配向が崩れるために複雑な挙動を示します。押し出し成型した未延伸フィルム・シートは歪みも小さいそうです。配向も流動による配向だけであるので、熱収縮は小さいものの、一軸延伸や二軸延伸したフィルムは配向歪みが大きいために収縮率も大きいそうです。親水性のプラスチックの場合は、水が可塑剤として、また結晶部の水素結合を破壊するように働くそうで、同じ温度でも湿潤条件の方が収縮率が高いそうです。